クレームに対する対応方法について

ビジネスマナー

 
仕事をしていると、お客様から苦情や文句を受けることがあります。いわゆるクレームに対する応対です。対応を誤ると、信頼を損ねたり、その後の関係が悪くなったりします。対応の論理を理解して、先方も自分も気分よく納得できる方法を身に着けましょう。
 
◇相手の気持ちを受け止める
 
自分がクレームをつける場合を考えましょう。損失が大きい場合や大変に腹立たしい場合に限って、文句を言うのではありませんか。面倒だからと諦めたり、嫌な人間になりたくないと引いたりということが多く、クレームにつけるのはかなりパワーのいる行為です。
相応のエネルギーを使っての訴えですから、受け手としては、まず相手の気持ちをしっかり受け止めなければいけません。最初に必要なのはお詫びです。「申し訳ございません」「大変失礼いたしました」と聞ければ、クレームを言った側は自分の思いが伝わったので多少怒りも収まります。
 
最初のお詫びは、不愉快な思いをさせてしまったことに対するお詫びで、自分達の非を認めているわけではありません。
 
先方の気持ちを受け止めないで、「担当は私ではありません」「よく確認されましたか」と切り返すと、火に油を注ぐことになります。詳細な確認は、お詫びの次で良いのです。
 
◇状況を確認する
 
お詫びの次は、苦情の詳細を確認します。なるべくさえぎらず細部まで状況を聞き取ります。聞き取った内容は復唱して、相手に確認していきます。冷静に確認されることで、先方は自分の話が受け入れられていると感じて落ち着いて来ます。
 
クレームを言った人が勘違いをしていた場合などは、この段階で気づいてもらえることもあります。そのような場合も、揚げ足を取るような発言はせず、「ご理解いただけて良かったです」とか、「資料がわかりにくかったかもしれませんね。以後こちらも注意します」とようにフォローすると、先方も引き下がりやすく、その後の円満な関係につながります。
 
◇解決案を示す
 
クレームにつながった状況がきちんと共有されたら、解決案を提示します。この時、苦情を言ってきた人が何を望んでいるのかを尋ねます。素早い対応が必要な場合もありますし、時間がかかっても根本的な解決につなげたいという人もいます。出来るだけ先方の思いに沿いたいものですが、できない対応もあるでしょう。その場合は、「申し訳ございませんが、そのような対応は致しかねます」と断ったうえで、「このような対処ではいかがでしょうか」と代替案を提示します。
 
断るだけでは先方の着地点が見つからないので、長引いてしまうことがあります。
 
◇もう一度謝罪して、ご意見として感謝する
 
先方が解決案を受け入れたら、再度「ご迷惑をおかけしました」「お手数をおかけして、申し訳ございません」など、もう一度お詫びします。その上で、「今回は貴重なご意見をありがとうございました」など、連絡してくれたことに感謝を伝えておきます。苦情を言った側としては、頑張って伝えた甲斐があったということになり、気持ちよく終われます。
 
◇冷静に話が聞けない場合や法外な要求をされた場合
 
一部にはクレーマーと呼ばれる苦情を言い続ける人も存在します。基本的な対応は変わりませんが、解決策を提示したと時に、法外な要求をされたら「そのような対応は致しかねます」ときっぱりと断ります。要求が継続する場合、「私では対応できない範囲ですので、責任者に代わります」と言って、上司などに対応を依頼しても恥ずかしいことではありません。
 
苦情やクレームの受付は気持ちの上では厳しい仕事ですが、お客様の正直な気持ちが確認でき、自分達の扱う製品やサービス、仕事の仕方について見直す機会にもなります。怒りをぶつけられると言い返したり逃げたりしたくなりますが、問題点を整理して相手の気持ちに寄り添い、良い関係につなげていきましょう。
 
 
 
 

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Team ladybird
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