NHKをぶっ壊す

雑談

 
 
今年7月に参議院選挙で「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志さんが当選し、国政に進出しました。当初から政権放送での「NHKをぶっ壊す」発言やYoutuberとしての活動で注目を集め、今日に至るまでその過激な言動により多くの反響を呼んでいます。
10月10日告示の参院埼玉選挙区補欠選挙に立候補し、自動失職となったことでも話題になっている立花孝志さん。
彼はいったいどんな人物なのか?N国党は何を目指しているのか?そしてNHKの放送の在り方について、経緯と考えをまとめてみました。
 

常に話題の中心に…!立花孝志議員とはどんな人物なのか?

1967年生まれで現在52歳の立花孝志さんは、大阪の高校を卒業後、NHK社員として勤務します。2005年にNHKの不正経理について内部告発を行い、懲戒処分を受け退職。フリージャーナリストとして活動しつつ、「NHKから国民を守る党」という政治団体を設立します。それからは大阪や東京、千葉などで市議会選挙や知事選挙へ出馬し、当落を繰り返します。ちなみに、立花孝志さんの初当選は2015年の千葉県船橋市議会議員選挙でした。
2018年にYoutubeチャンネルを開設すると、その過激な言動から瞬く間に注目を浴びるようになります。そして2019年7月、第25回参議院議員選挙に比例区から立候補し当選。党首を務める「NHKから国民を守る党」は国政政党となります。
 
こうして経歴を見ると、高卒であることやYoutubeでの活躍、また政党のネーミングなど今までの政治家とは少し異なる雰囲気が感じられる、話題づくりには事欠かない人物であると言えそうですね。
 
今月初めには、動画配信中に東京都中央区の男性議員に対して「人生を潰しにいく」と発言。元々同じ政党にいた2人でしたが、男性議員が離党したことを理由に、立花孝志さんはYoutubeの動画内で度々批判していました。今回の発言により、脅迫容疑で書類送検されるなど更に話題を呼びました。
 
そして、2025年までの任期がある参議院議員を辞職し、10日告示の参院埼玉選挙区補欠選挙に出馬することを表明。公職選挙法の規定により自動失職となる形です。衝撃の当選からわずか約80日での議員辞職に、支持者でなくとも驚きの声が多方面から上がり話題となっています。
 

公約はたったひとつ。NHKをぶっ壊す。

そんな立花孝志さんが党首を務める、「NHKから国民を守る党」通称「N国党」とは、どのような政党でしょうか?彼らは何を目指しているのでしょうか。
 
話題になった政権放送での発言「NHKをぶっ壊す」。このワードが端的に表していますが、立花孝志さんは現在のNHKを変えることを目指しています。公約は「スクランブル放送を実現し、NHK受信料を支払わない人への電波を止める。NHKを見たくない人の権利を守る」こととしています。
そして驚きなのが、公約はこのNHK放送のスクランブル化のみということ。この公約が果たされた暁には、本政党は解散するとまで表明しています。N国党の公式ホームページにも、「我々はNHKスクランブル放送化実現を目指すシングルイシュー政党です」と掲げています(シングルイシューとは、問題や論点がひとつであること)。
 
ちなみに、以前は「生活保護を現金支給から現物支給に変える」ということも公約として掲げていました。その内容は、「生活保護受給者には、食事・衣料・住居・医療・介護・余興を現物支給で与え、公共の施設に入居させることで、生活保護費の削減と不正受給をなくす」というものです。しかし現在、こちらの公約はHP上からも削除され、立花孝志さん自身「今後は主張しない」と明言しています。
 
N国党が基本とする考え方は、「直接民主制」。今の日本は国の法案に対して国民の声が届いていないと主張し、インターネット上で国民の声を直接集め、その声を議員が国会にもっていくとしています。NHKの受信料を「払いたくて払っている国民は多くない」との見解から、直接民主制が進めばNHKはなくなるとも主張しています。
 
これまでの政治家や政党と違い、積極的にインターネットを駆使している点やNHKスクランブル放送化のみに特化している点から、その公約や目的がわかりやすくアピールされていて、政治に関心がない若い世代からの関心も高いようです。もちろん「政治家としての素質に欠ける」「発言を撤回し議員辞職するべきだ」という批判の声も絶えませんが、それだけ注目度が高いことは間違いありません。
 

賛成?反対?スクランブル化は実現するのか

そもそも、スクランブル放送とはどういうことでしょうか?
現在、NHKは日本の公共放送としての役割を担っているとして、電波を受信できる機器をもっている人は全員受信料を支払う義務があるとしています。これを、契約した人のみが見れる仕組み、すなわちスクランブル放送にすれば、映像や音声が暗号化され、契約をしていない人はNHKが見れなくなります。日本では、WOWOWやスカパー!などがこのスクランブル放送を実施しています。
スクランブル放送化を果たすことで、NHKを見たくない人は受信料を支払わなくてよくなり、権利が守られると立花孝志さんは主張しています。
 
さて、NHKのスクランブル放送化は実現できるのでしょうか?
NHK側の主張としては、「スクランブル放送化は、公共放送の役割と相容れない」として反対しています。また「NHKには災害報道や政見放送など公共の社会的使命を果たすことが求められている」とのことから、実現は難しいと総務省からの言葉もありました。
 
世論では、NHKのスクランブル放送化に賛成意見も反対意見もあります。
賛成意見の例としては、「民法でも災害報道や政見放送をしているので、NHKを公共放送と位置付けなくて良いのでは」「見たくなくてもテレビがあるってだけで受信料を払うのはおかしい」という意見。逆に、反対意見としては「誰でもいつでも見られる公共放送があると安心する」「スクランブル化すると視聴率が落ちて報道の質が下がり、国の重要な文化や政治を発信する番組がなくなる」という意見も見られます。
 
また、「災害や政治のニュース番組などとドラマや歌番組などの娯楽番組を分け、娯楽番組のみスクランブル放送化にすれば、公共の役割も守られるし支払う受信料も安くなる」といった折衷案のような意見もありました。
 
自分たちの身近な生活に関わる問題であるだけに、全世代の関心度は高いと思います。またネットを活用する“テレビ離れ”の世代からは、「見ないのに受信料を払いたくない」とスクランブル放送化を願う人が多いと感じました。
 
これからN国党はどうなっていくのか?また、今回参議院議員を自動失職した立花孝志さんは、議席を増やすことができるのか、注目です!
 
 
 
 
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Team ladybird
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