こんな企業はうんざりでした

ビジネスマナー

 
今回バイヤー視点で見た時に残念に映る企業像、あるいは営業マンを述べることにします。
 
 
■営業アプローチ
 
・現象
会社の受付に、「契約窓口部門の方と会いたい」とアポなし訪問。営業マンに会ってみると、当社のことをろくに調べもせずに、自社の売り込みにご熱心。
 
・なぜ残念か
アポなしの訪問を完全否定するつもりはありません。時間が空いていればお会いさせていただくこともあります。もしかしたら潜在的な素晴らしい取引先があるかもしれませんし、ガッツのある営業マンから刺激や学びを得られることもありますから。
ただし、訪問前にHPで取引先の情報を調べ、その会社の得意分野や、推定できる企業課題に対してアピールする準備をしてきて欲しいと思います。そこが無いと、互いの時間の浪費になりかねません。。
しかし、やはりアポイントはビジネスマナーの基本です。「『HPを見ました』として面談依頼を出してもなかなか会ってもらえないから」と反発を覚える方もいらっしゃるでしょう。実はHPの「お問い合わせ」に届いたメールは、必ず社内の関係部門へ転送されているものなのです。その際のメッセージの中身によって、「是非会ってみたい」、「時間があれば会ってもいい」、「会うに値しない」と判断されているのです。アプローチの説得力が面談依頼の文章にあるかどうかが、大きな壁の向こう側に行けるかどうかの差なのです。
もし、「会うに値しない」と判断した場合にレスポンスをしないのはこちら側のビジネスマナーの欠如ですね。こういう時の実質的な“お断りメッセージ”例を紹介しておきましょう。
「ありがとうございます。ご訪問希望の趣旨は理解いたしました。今後、必要を感じました際には、是非当方よりご連絡をさせていただければと存じます」
 
 
■昭和の営業マンスタイル
 
・現象
宴席での接待をしたがる。ゴルフ等の誘いにご熱心。盆暮れに菓子折りを届ける。
 
・なぜ残念か
そういうゴマすりは感心しません。そういうことを一切しなくても、どんどん受注が取れる企業はたくさんあります。
しかし、企業間での宴席、ゴルフの付き合いを否定するものではありません。真に強固なパートナーシップを築こうとしたら、そういうコミュニケーションの取り方も大きな価値を生むものだからです。この場合は費用は折半、あるいは持ちつ持たれつというスタイルがスマートです。
IT大手企業の多くは内部統制が非常に厳しく、過度な被接待を禁止したり、目に余る業者との癒着を見聞きしたら、匿名でもいいからヘルプライン等で所定の窓口に投稿せよという制度が敷かれています。
 
 
■事前相談なき空回り
 
・現象
「RFPに書かれてある条件からは少し外れる点があるが、是非提案したいので事前に相談させてほしい」との熱心なアプローチが営業マンからあり、面談を実施。
コスト、時期、等は当方の希望に合うも、「業務委託契約=請負契約(成果物による検収)」という条件に対して、「準委任(労働期間に対して報酬が支払われる、瑕疵担保責任がない作業)」の条件だけは絶対に譲れないとのこと。
 
・なぜ残念か
条件が外れているのが1点だけだとはいえ、交渉や調整ができる条件と、互いに譲れない絶対条件というものがあります。この場合、後者でした。熱血営業マンが「ダメで元々」でアタックしてきたものですが、やはりお互いの時間の無駄でした。事前にメールで条件に合わない点を告知してくれていたら、無駄な面談をしなくても良かったのにと思います。
 
 
■トラブル時の対応
 
・現象
持ち帰りの請負案件がスケジュール通り進んでいない。
委託元と何らかの責任問題でもめている。
会社の経営状態がおかしく、優秀なリソースがどんどん離脱している・・・
様々なトラブルが常に発生します。致命的になってから契約窓口に連絡が入っても、もう手遅れというケースもあります。
 
・なぜ残念か
癌と同じで、トラブルの芽は早期のうちなら治療が可能です。そういった兆候があれば、直ぐに契約窓口へ相談して下さい。客観的な立場で冷静に判断し、その場で最善の手を共に考えるのもバイヤーの仕事です。取引先と社内の委託現場との間に立って妥協点を見つけ、調整するのも存在価値なのです。
 
・ご参考
今までで最悪だったケースは、委託開発中の取引先の倒産劇です。この場合、案件に携わっている取引先メンバーの再就職先として、他の既存取引先をご紹介しました。最終的になんとか開発を無事に終わらせることができました。倒産寸前に当方へ相談が無かったら、このスキームは成り立たなかったでしょう。
委託元の当社が助かっただけでなく、職を失いかけた技術者、即戦力のある技術者を獲得できた既存取引先の”三方良し”となりました。
 
 
 
 

当サイトは広告を含めています。広告のクリックによる収益は全て当サイトの管理、維持、コンテンツ製作に使われます。

 

Team ladybird
タイトルとURLをコピーしました