営業マンの盲点マナー

ビジネスマナー

 
■契約窓口である調達担当組織の役割を知ろう
 
 大きな企業には調達部、購買部、資材部、パートナー推進部といった専門組織があります。中小企業であれば、管理部とか総務部の中に調達担当者がいる場合もあるでしょう。これらの組織では、ハードウエアやソフトウエアの購入、ヒューマンリソースの調達、システム開発やインフラ工事や事務などのアウトソーシングを企業の窓口部門として担当しています。
 その役割は取引先と社内の要求部門との単なる橋渡し役だけではなく、現場独自の調達では実現が困難な協力企業の発掘や評価、最適価格調達の推進(組織横断的原価低減活動)、コンプライアンスの管理指導(下請法、派遣法、外注方法の適正化)、その他を推進しており、調達担当者のことをバイヤーと呼んだりしています。
 こういったバイヤーとの接触は、多くの場合、営業マンが担っています。
 
■営業マンの盲点マナー
 
・そもそも営業力が不足している
 誤解を恐れずに言えば、IT業界は営業力がポイントになって「受注」が決定するものではありません。しかし、優れた営業力のおかげで「受注機会」が広がると言っても間違いではないでしょう。
 ところが、IT業界の営業マンは多種多様で、必ずしも優秀なリソースが営業部門に配属されているとは言えません。他の業界から転職してきた人材や、現場の最前線で活躍することが難しくなったSEが異動して担当しているケースも多々見られます。
 取引先の窓口が調達のスペシャリストで固められているのであれば、こちら側の営業組織も営業のプロとしてのスキルアップを図るべきです。
 
・バイヤーを単なる契約窓口の担当者だと思っている
 調達組織の力を知るべきです。内部統制という錦の御旗の元、会社内部に強い力を持っており、逆に会社の外の企業に対しては取引企業の認定、発注先や発注金額の決定などという権限を持っている場合も多いです。そんな組織の担当者をなめてかかってはいけません。
 企業間取引の関所のようなこの組織を上手に利用しましょう。担当者を味方に付ければ、受注機会の拡大と継続的な取引すら期待できるのです。
 
・求められた情報を届ければ良いとだけ思っている
 RFPに基づき提案書をまとめ、提出する。もし、面談やプレゼンテーションの機会を与えられても、提案書やパワーポイントの資料の中の情報以外は発信できていない。これでは接触の機会を与えてくれたバイヤーに失礼です。
 RFPが作成された背景やエンドユーザーの特徴を調べたり、顧客の課題の仮説を立てておきましょう。その上で、面談やプレゼンの場では、相手の表情を見ながら刺さるポイントを探し当ててください。この調達案件が一番求めているのはコストなのか、品質なのか、生産性なのか、過去の実績なのか、PMの知見なのか、開発体制の力量なのか・・・相手の表情の中に糸口を見つければ、提案書やプレゼン資料の中に入っていないアピールポイントも力説しましょう(提出済みの提案書は面談後に加筆修正して再提出すればいいのです)。このような際の臨機応変さが営業マンの本当の真価なのです。
 
・相手の立場を考え切れていない
 バイヤーの別名はネゴシエーターです。価格交渉や条件交渉を持ちかけられることもあるでしょう。あなたの提案書が他の相見積もり先と比べても圧倒的に有利そうであれば、一切譲歩はしないというのも間違いではありません。
 しかし、バイヤーの社内的な立場を考えてみましょう。彼らは、原価低減など定量的指標によって能力評価されている一面もあるのです。そこは忖度して引き際を定めましょう。
 だからといって、お土産的な値引きや譲歩をして引き下がるのも営業として感心しません。何らかの譲歩をする代わりに、他の案件の紹介をしてもらうとか、その企業の内部情報(今後の委託方針、マーケット情報、コンペチター情報、等)を、許される範囲の中で教えてもらい、自社に持ち帰るという役割もまた営業マンに望まれるところです。
 
 
 
 

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Team ladybird
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